オプション市場で市場開設以来の低ボラ(IV)が続いている。
新記録から、さらに「まさか」の下落です。
こんなとき取る戦略は2つ。
ボラを生かす戦略と様子見戦略
様子見は金持ち喧嘩せず。あえて参加するより
SQ迄この低ボラのままのリスクを避ける手法。(機会損失を気に掛けない)
生かす方法では、必ず(時間軸は不明だが)上昇するボラアップで利益の戦略になります。
ボアアップでの価格変動で肝になるのは、「ベガ」です。
ベガの単位は「円」でいボラ(IV)が1%上昇したときのオプション価格の上昇幅(円単位)
ベガが解る例)
日経225先物が20000円で19000円のプットオプションが30円でベガが3円とします。
この状態でIVが16%から20%にアップすると4×3円(ベガ)=12円ですから
計算上30円のオプションが42円になります。
ですからボラアップ利益のオプション戦略としてはベガをプラスに取る戦略になります。
代表的なベガプラス戦略はバック、ロングバタフライ、デビット、カレンダーになります。
19000円のプットを例にこの4種類を比較してみます。
参考の数値は7月21日のナイトの引け値です。
・1:3バック
月日 | オプション種類 | 枚数 | 価格 | デルタ | ガンマ | IV | セータ | ベガ |
7月21日 | 08P19250S | 1 | 43 | 0.12 | -0.03 | 17.5 | 4.6 | -8.8 |
7月21日 | 08P19000L | 3 | 30 | -0.25 | 0.06 | 19.3 | -11.5 | 20.2 |
-0.13 | 0.03 | -6.9 | 11.4 |
・ロングバタフライ
月日 | オプション種類 | 枚数 | 価格 | デルタ | ガンマ | IV | セータ | ベガ |
7月21日 | 08P19250S | 1 | 43 | 0.12 | -0.03 | 17.5 | 4.6 | -8.8 |
7月20日 | 08P19000L | 3 | 30 | -0.25 | 0.06 | 19.3 | -11.5 | 20.2 |
7月20日 | 08P18750S | 1 | 21 | 0.06 | -0.01 | 20.6 | 3.0 | -4.9 |
-0.07 | 0.02 | 57.4 | -3.9 | 6.4 |
・デビット
月日 | オプション種類 | 枚数 | 価格 | デルタ | ガンマ | IV | セータ | ベガ |
7月21日 | 08P19000L | 1 | 30 | -0.08 | 0.02 | 19.3 | -3.8 | 6.7 |
7月21日 | 08P18750S | 1 | 21 | 0.06 | -0.01 | 20.6 | 3.0 | -4.9 |
-0.03 | 0.01 | 39.9 | -0.8 | 1.8 |
・カレンダー
月日 | オプション種類 | 枚数 | 価格 | デルタ | ガンマ | IV | セータ | ベガ |
7月21日 | 08P19000S | 1 | 30 | 0.08 | -0.02 | 19.3 | 3.8 | -6.7 |
7月21日 | 09P19000L | 1 | 90 | -0.16 | 0.02 | 16.0 | -3.0 | 17.0 |
-0.07 | 0.00 | 35.2 | 0.8 | 10.3 |
一番右のベガの数字が大きいほどボラ上昇で利益が上がることになります。
通常時ではボラ下落落のリスクを感げる必要があるのですが、今のボラなら
考える必要がありません。(ここが圧倒的に有利のときです)
概ね最大リスクはロングプレミア―ショートプレミアの限定です、(プットですから上昇リスク)
また、下落したときに最大の威力を発揮するのはガンマです。上の表を眺めると
暴落で魅力がないのはカレンダーを解ります。
もっとも強力なスプレッドは0.03ガンマの1:3バックになります。
また、利益が限定でなく下がるほど利益が増えるスプレッドはロング枚数が多い
バックとロングバタフライです。他は利益も限定になります。
暴落でもっとも怖いプットポジは売り枚数が買い枚数より多いことです。
7月21日現在なら「いつボラアップになるか」解らない状態ですから実戦においては
「待つ工夫」が必要になります。
シンプルな手法として例のスプレッドにあるショートを加えてガンマニュートラルにしておく
そして、面倒ですがそのショートにロスカットを付けておくことです。
大きな下落迄はニュートラルでいて大きな下落が始まった時だけ例のポジションになる仕掛けです。
そのロスカットの分は損失になりますが、オプションにおいて「何でも勝つ」はあり得ません。
私は、今週こそ煮詰まった日経225と記録を作った超低ボラですから
「計算されたリスクを取る」時だと思います。
未来のことだが、これだけの低ボラは10年以上ないかもしれない。
ボラがアップしたときのボラ上昇幅は、確実にプットの方がコールより大きい。
そして上昇時より下落時の方がボラが上昇しやすい。(これが、確率論からはプット有利になる)
5%会(カレンダークラブも)ではすべてのコースで上の例に上昇ヘッジを付けての
プットロング戦略になっています。
10年20年に一度の超低ボラを「黙って見ている手はない」ときだと考えています。
あなたがベストの手法が解らないなら、1,2ヶ月だけでも5%会(カレンダークラブ)に
参加してください。例に挙げた教科書的プットロング以上の様々な手法を覚えるだけでも
将来のメリットになるでしょう。
お試しなら1万円の長期コースか短期コースをお勧めします。