半導体の成長神話は崩れたのか? 恐怖指数18が示す買い場接近

できるかという問題を意識し始めている。

③ CXMTショック! メモリー株の競争環境が変わるのか

中国のメモリーメーカーCXMTによるDRAM技術の進展が、メモリー市場に新たな不安をもたらした。

中国勢が高性能メモリーの生産能力を高めれば、韓国勢や米国勢にとって競争激化につながる可能性がある。投資家が恐れているのは、供給増加による価格下落、利益率の低下、そして将来の収益予想の下方修正だ。

ただし、技術の進歩と量産能力、実際の市場シェア獲得は別の話。CXMTの動きが直ちに世界のメモリー需給を逆転させると決まったわけではない。

④ 原油が一時100ドル突破! それでも債券は買われる

原油価格の上昇は、インフレ再燃への懸念を呼び起こす。通常なら金利上昇が意識されてもおかしくない局面だ。

ところが、株式市場では債券が買われ、米国債利回りが低下する動きも見られた。

これは、インフレ懸念だけでなく、景気減速やAI投資の先行きに対する不安から、安全資産へ資金を移す動きが強まっている可能性を示す。

つまり、現在の市場は「原油高によるインフレ」と「株安による景気不安」という、相反する材料を同時に織り込もうとしている。

■ しかし、AI市場のファンダメンタルズは本当に崩れたのか?

ここが今回の相場を考えるうえで最も重要なポイントだ。

半導体関連企業の設備投資やAIデータセンターの拡張計画は、依然として巨大である。AIの普及が進めば、計算能力、メモリー、ネットワーク、電力、冷却設備などへの需要が続く可能性がある。

業界トップが2027年も供給不足を見込むという見方が正しければ、現在の株価下落は、実需の崩壊というよりも、将来の成長に対する市場の期待値が急速に低下している局面とも考えられる。

もちろん、強い需要見通しだけで株価がすぐ反転するわけではない。企業の利益成長が株価評価に追いつくか、資金調達が持続可能か、そして実際の決算で需要が確認できるかが重要になる。

実需は強い。しかし、株価には不安が先回りして織り込まれている。

このギャップが、今後の反発相場を考えるうえでの焦点だ。

■ ポジティブ材料① SOXの8連敗は反発のきっかけになるか?

SOX指数は8営業日連続安となり、10月6日以降で約15.7%下落した。

ここまで短期間に売りが集中すれば、空売りの買い戻しや自律反発が起きても不思議ではない。

ただし、8連敗だから必ず反発するという法則はない。反発が起きても、下落トレンドの中の一時的な戻り、いわゆる「ブルトラップ」に終わる可能性もある。

それでも、売りが一方向に集中した相場では、悪材料が出ても安値を更新しなくなる、半導体株の一部が先に切り返す、といった変化が重要な観察ポイントになる。

私が注目したいのは、単にSOXが反発するかどうかだけではない。

  • SOXが反発し、下落幅を縮小できるか
  • エヌビディアなどの主力株がSOXを上回る動きを見せるか
  • メモリー株やAIインフラ株に売り一巡の兆候が出るか
  • 反発時に売買高が増え、翌日以降も上昇を維持できるか

こうした兆候がそろえば、単なる自律反発ではなく、相場の流れが変わり始めた可能性を検討できる。

■ ポジティブ材料② Fear & Greed Indexが18に低下!

米国株の投資家心理を示すCNNのFear & Greed Indexは、10月16日時点で18。0から100までの指数で、25未満は「極度の恐怖」に当たる。

1週間前の46から28ポイント低下し、投資家心理は急速に悪化した。

この数字は、投資家がリスクを強く避けていることを示す。悲観が極端になると、悪材料を先回りして売る動きが進み、売りポジションの買い戻しや割安株への資金流入が反発のきっかけになることがある。

ただし、恐怖指数18は底打ちの保証ではない。過去にも極端な恐怖が続き、株価がさらに下落した局面はある。

だからこそ、私はこの水準を「今すぐ全力買い」という意味ではなく、買い場が接近している可能性を意識し、反転の兆候を探す段階と考えたい。

■ 私の相場観――暴落の先にあるのは、AI相場の終焉か、それとも次の上昇か?

今回の急落は、AIの成長そのものが終わったと市場が結論づけたというよりも、AIの成長に対する過剰な期待、資金調達への不安、競争激化への警戒が一気に噴き出したものと考えている。

AI需要が続くとしても、すべての関連株が上がるわけではない。今後は、実際に利益を伸ばせる企業と、投資負担や競争激化で収益が圧迫される企業との選別が進むだろう。

私が今後の相場で確認したいのは、次の3点だ。

  1. SOXの反転――8連敗後に下げ止まり、反発が継続するか。
  2. AI主力株の底堅さ――エヌビディアや主要半導体株が市場全体に先行して戻るか。
  3. 日経先物の下げ止まり――米国半導体株の反発に連動し、日経先物が安値を切り上げられるか。

この3つがそろえば、今回の暴落を次の上昇に向けた調整と捉える余地が出てくる。

反対に、SOXが安値を更新し、AI関連企業の資金調達不安が広がるなら、焦って買い向かうべきではない。

恐怖が極端になったときこそ、買い場を探す。ただし、底打ちを決めつけず、相場の反転を確認する。

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